死りとりゲーム2-死り神さまの逆襲-


しばらく雨の音だけが聞こえていた。


「祐希くんのこと殺人鬼にしてもいいわけ?」


「殺人鬼って…」


「だってもう鎌で殺してんじゃん!また同じように殺させたい?」


「それは──」


「穏やかにしりとりクリアして、ゲームから退会したほうがよくない?」


愛海の提案に、本当は心から頷きたい。


でもそうできない何かが、私たちの間に立ちはだかっていた。


今や死りとりゲームは、愛海が支配している。


たまたま順番が1番先だったから、その後の主導権を握ることになったんだ。


「黙ってるってことは、そう思ってんでしょ?愛海だって祐希くんには恨みはないしさ」


「私にどうしろっていうの?」


「だからー、愛海にちょうだいよ」


「あげるもなにも、祐くんは私のものじゃ…」


「なら口きかないで!」


「えっ?」


「祐希くんと一言も口きかないで!その約束破ったら、祐希くんがまた死り神を殺すことになるから」


そう言い残し、愛海が去っていく。


圭子が死んだのに、なんでこんなことに…。


愛海はしりとりに取り憑かれている。


なんでも自分の思うようにしようと。


でも、言うことをきくしかない。


そうしないと祐くんが…。


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