死りとりゲーム2-死り神さまの逆襲-
「祐美!」
今、1番聞きたくない声だった。
雨で聞こえない振りをして、早足でその場から離れる。
「祐美っ!」
すぐ後ろで聞こえたけど、やっぱり聞こえない振りをして駆け出した。
「おい!どうしたんだよ!」
腕を掴まれても、私は振り向かない。
喋っているところを愛海に見られたら、約束を破ったとしりとりで仕返しされてしまう。
死り神はどういう法則で選ばれるのか分からないけど、愛海の言う通り、クラスメイトなんだ。
これ以上、祐希を人殺しにはできない。
「こっち向けって!」
無理やり肩を掴まれた。
「大丈夫か?」
全く目を合わせようとしない私の顔を、心配そうに覗き込む。
恐らく祐希は、私が圭子のことで悲しんでいると思っている。
もちろん、圭子を失った痛みは大きい。
「もう少しで退会できる。それまで頑張ろう」
グッと肩を掴む手から、熱いものが伝わってくる。
私を守ろうとしてくれてるんだ。
自分が危険な目に遭うのに、それでも私のことを__。
「…ごめん」
だから私も、祐希のことを守りたい。
「なんで謝るんだよ?」
「ごめんね…」
私は顔を上げ、真っ直ぐに祐希の目を見て言った。