死りとりゲーム2-死り神さまの逆襲-
「おい、なんだよそれ!」
駆け出そうとした私の手を、祐希がガシッと握る。
「離して!」と振り払った拍子に、傘が飛んでいった。
「ちゃんと説明しろよ!」
思わず怯(ひる)むほど、その目は怒りに満ちている。
「離して」
「ちゃんと説明するまで離さない」
そう言いながら、持っていた傘を私にさしてくれる。
自分が濡れているのにもかかわらず、私を濡らさないようにという思いやり。
それは、やっぱり私のよく知っている祐くんだった。
いつからか、すれ違うと目を伏せ、関わり合うことを避けていた。
心のどこかではずっと気になっていたのに、その気持ちには蓋をしていたんだ。
それが『死りとりゲーム』を始めるようになって、少しずつ開いていた距離が近くなっていく。
それは、凍っていたものが溶けていく、そんな感覚に似ていて…。
また以前のように名前で呼び合えるようになって、ふと気づくと祐希のことを考えている自分がいた。
『祐美のことを守る』と言ってくれた祐希。
私も、祐希のことを守りたい。
それは、私にとって大切な人だから。
私は…祐希のことが好きだから。