死りとりゲーム2-死り神さまの逆襲-
「なにイチャついてくれてるわけ!?」
すぐそばで、愛海が仁王立ちしていた。
「祐美、約束したよね?」と。
「違うの…これは、そんなんじゃなくて…」
私が弁解しようとしたけど、愛海は聞いていない。
どんどん制限時間がなくなっていくというのに、私のことを見下ろして罵り続ける。
「約束を破ったんだから、分かってるよね?」
「や、やめて…」
なんとか祐希を押し退け、体を起こす。
確かしりとりは【ち】から始まった。
もう愛海は【ち】から始まって【り】で終わる、学校内にあるものを見つけた?
そうじゃなかったら、こんな余裕はないはず。
「お願いだから…」
頭の痛みと寒さでぼんやりする中、私は愛海に訴えた。
「…分かった。じゃ、チャンスをあげる」
「チャンス?」
「そう、祐希くん!」
愛海が一歩、祐希に近づく。
「なんだ?」
「祐美じゃなくて、私と付き合わない?」
「お前と?なんの冗談だよ」
祐希が顔をしかめて吐き捨てる。
「あぁ、そんなこと言ってもいいのかなー?」
私を脅した時と同じように、祐希のことも脅すつもりなんだ。
しりとりをエサに、従わせようとしている。
そして従わなければ、死り神が現れるんだ。