死りとりゲーム2-死り神さまの逆襲-
愛海が黙ったまま教室の後ろに移動する。
あそこは__掃除用具が入っているはず。
そこから愛海がなにかを取り出して戻ってきた。
「ねぇ、これ何か分かる?」
「それは…」
チリトリだった。
【ち】から始まって【り】で終わるもの。
やっぱりすでに『ちりとり』を見つけていたんだ。
「それがなんだ?」
私の背を支えたまま、祐希が睨みつける。
「だからー!愛海と付き合えば、別のものにしてあげるって言ってるの」
そう言って、今度は教室の前に移動をして__。
「例えばほら、これとかさ」
黒板の隅っこから掴み取ったのは『チョーク』だ。
【く】で終わるものなら、楽に見つけられるだろう。
「お前、俺を脅してんの?」
「そんなんじゃないよー!これは交渉?てやつ」
「お前と付き合えば、チョークにしてくれんのか?」
「さすが祐希くん!話が早い!」
愛海が飛び上がって喜んでいる。
私は息苦しい中、それをぼんやりと眺めていた。
でもそれで、祐希が危ない目に遭わないならそれでいい。
だってそもそも…私は祐希と付き合っていないし。
私たちはただの幼なじみだ。
ただの__。