死りとりゲーム2-死り神さまの逆襲-


それからの記憶は、断片的にしかなかった。


「おら、来いや!」


祐希の怒鳴り声が聞こえ、死り神を迎え撃つ。


私のせいでまた、祐希が誰かを殺そうとしている。


「お願い、やめて!」と言いたかったけど、次に気がついた時は、なにかがぶつかる音だった。


机がなぎ倒された音がして「ぐっ!」と祐希の呻き声が。


今、私のために戦っている。


止めたかったけど、そうすると私が死ぬしかない。


「クソがっ!」


祐希がそう言って、椅子を投げつけたのが分かったけど__。


私はまたそこで意識を失った。


次に目が覚めたのは、争う音じゃない。


あまりにも静かだからだ。


なにも聞こえない。


再び意識を手放そうとした時、それは確かに聞こえてきた。


「…戸田?」と。


それに続いて「やっぱりクラスメイトなんだ」という愛海の言葉。


それは、死り神のことを言っている?


死り神を倒して仮面を剥がし、その正体が分かったんじゃ?


でも…戸田くんは、前に死んだはずなのに。


「分かった」


はっきりと耳に届いた。


「死り神の法則が分かった」


祐希の言葉を最後に、私は今度こそ気を失った__。


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