死りとりゲーム2-死り神さまの逆襲-


__そこは、よく知っている場所だった。


ゲームの世界から戻ったことはすぐに気づいたけど。


どうしてここに?


私はゲームをする前、雨に濡れて道端に座り込んでいたはず。


愛海に脅され、祐希にひどいことを言って、圭子も死んでしまったし、もうどうでもよくて…。


それなのに、どうして自分の部屋にいるの?


その理由は、私に覆いかぶさっていた。


えっ、祐くん?


祐希が、私が寝ているベッドで顔を突っ伏している。


「あっ、そうだ」


私はしりとりに答えることができなかった。


愛海の【り】責めを、せっかく祐希がクリアしたというのに、私はそのバトンを受け取ることさえできなかったんだ。


そして死り神が襲ってきた。


それを祐希は…倒してくれた。


だから私は生きたまま、こうして自分の部屋で寝ている。


きっと、ここまで祐希が運んでくれたんだ。


静かな寝息が聞こえる。


『俺は祐美が好きだから』


そう言って、愛海のことを拒絶した。


『俺が守るから』


その言葉通り、本当に私のことを守ってくれた。


「祐くん…」


私は手を伸ばす。


とても大切な幼なじみへと…。


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