死りとりゲーム2-死り神さまの逆襲-
【こ】こら始まるもので『黒板』なんて、誰が考えてもNGワードだと分かる。
ましてや愛海は【り】で終わる言葉を瞬時に探し当てたりと、言葉遊びには強い。
そんな愛海が【ん】で終わるミスを犯すはずがないんだ。
「来るぞ」
私のすぐ側で、祐希が低く呟く。
新たな死り神の狙いは、あくまで失格者の愛海だけど、巻き込まれて襲われる可能性もある。
どうしたらいいのか、その場で立ち尽くしていると、パッと明かりが戻った。
そこに、死り神がいた。
そして愛海の姿はなかった。
死り神が鎌を構えたまま、教室内を見回す。
一体、どこに__?
その時、カーテンがハラリと揺れた。
風など吹いてなどいないのに…。
そこから突然、飛び出してきた愛海が死り神に向かって手を突き出す。
ビリっと光が走る。
スタンガンだ!
バチバチと火花を散らしたスタンガンが死り神の喉元に食い込む。
死り神の手から鎌が滑り落ち__愛海が吹き飛んだ。
スタンガンは少し触れただけ。
人間なら崩れ落ちているけど、死り神は尋常じゃない力を発揮する。
そのまま愛海の首に手をかける。
ガタンっ!
しかし今度は、死り神が吹っ飛んだ。