死りとりゲーム2-死り神さまの逆襲-
「えっ、もう退会したの!?」
「もう引っ越すしさ。バタバタするから先に退会しちゃった」
愛海がなんでもない事のように言った。
「そんな、勝手に自分だけ…」
「しょうがないじゃん、親が離婚するんだし。愛海が1番、かわいそじゃない?」
「そんなの関係ないよ!」
思わず詰め寄ろうとした私を、祐希が止めた。
「ポイントは0だ」と、スマホ画面を見せてくる。
これでまた15000ポイントまで貯めないといけない。
それでも退会できるのは1人なんだ。
「じゃ、2人で頑張ってー」
「えっ、ちょっと!」
帰ろうとする愛海にまだ言い足りないことは山ほどある。
あまりに自分勝手すぎる!
でも「帰るぞ」と、祐希に手を引かれて愛海の家を後にした。
「祐くん、腹が立たないの!?」
私が行き場のない怒りをぶつけると、祐希はにんまり笑う。
「な、なにが可笑しいのよ?」
「いや、祐美って意外と怒りっぽいんだな」
「だって!皆んなのポイントなのに、自分だけ勝手に退会するなんて…」
そのために、皆んなが犠牲になったんだ。
親が離婚するから1番先にゲームから抜けるって、いくらなんでもワガママすぎる。
「でも、これで疫病神はいなくなった」