死りとりゲーム2-死り神さまの逆襲-
「疫病神?」
「あいつは、死り神よりたちが悪い疫病神じゃないか?」
「…確かに」
素直に頷く。
順番が1番だから、難しい文字で終わったり、同じ文字で惑わせたりと、やりたい放題だった。
愛海がなにを仕掛けてくるか、いつもビクビクしていたんだ。
「それが、居なくなった。次からは俺と祐美の2人きりだ」
「あっ、そっか」
忘れていた。
退会するということは、次のゲームから愛海は居ないということ。
祐希と2人なら、しりとりなんて余裕だ。
「多分、1人になった時点でしりとりは終わるはずだ。だからあと5回クリアすれば終わる」
「あと5回…」
「それならイケるだろ?」
「うん、大丈夫だと思う」
「だからあいつのことは放っておこう。先に退会してくれて、礼が言いたいくらいだ」
「ふふっ、そうだね」
一気に気持ちが明るくなってきた。
これで死り神を殺す必要もない。
「そういえば【か】から始まる名前のやついたか?」
「か?」
「次の死り神が【か】から始まる」
古城怜華で終わったから、必然的に【か】から始まる苗字のクラスメイトになる。
「誰もいないかも?居なかったらどうなるんだろ?」
「まぁ、でもクリアすればいいことだしな」
「うん、そうだね」
私たちは頷き合って、死り神のことはすぐに頭から消えていた。