死りとりゲーム2-死り神さまの逆襲-
『それでは、死りとりゲームを始めましょう!』
いつものアナウンスを聞いているのは、私と祐希だけとなった。
村井先生が居た頃が、もう遠い昔のように思える。
良一も圭子もいて、最初はわいわいと楽しくゲームに参加していたのに__。
もう皆んなは戻ってこない。
ゲームに参加していた圭子たちだけじゃなく、死り神となったクラスメイトも、もう…。
「祐美、いいか?」
祐希の声に我にかえった。
今は集中しないと。
いくら愛海が居なくなったとはいえ、学校にあるものでしりとりをしないといけない。
もしかしたら、難しい言葉から始まるかも。
けれど、愛海の悪意に満ちたスタートよりはマシなはずだ。
私たちは協力し合っている。
祐希は言葉にこそしなかったけど、きっと私を退会させるはずだ。
自分は最後までゲームに残って、ゲームそのものを終わらせようとしている。
クリアまではあと5回。
ここからが私たちのスタートだといってもいい。
だからできれば、最初はスムーズにクリアしたい。
どうか、優しい言葉で始まりますように…。
そんな願いを込めて、私たちはアナウンスを待った。
『それでは最初の文字は──』