死りとりゲーム2-死り神さまの逆襲-


やっぱり死り神は居なくなってなんかいない!


【か】から始まる名前かは分からないけど、失格となった祐希を殺しに来たんだ!


死り神が、黒板の前に立ち尽くす祐希に向かって鎌を__。


「こっちだ!」


「えっ、祐くん!?」


「祐美はそこにいろ!」


そう言って、教室を飛び出していった。


すぐに死り神が追いかけていく。


「ちょっと待って!」


私も慌てて廊下を駆け出したけど「祐美は来るな!」と遠くから声がした。


死り神の標的は、あくまで失格者の祐希だ。


だから祐希は、私が巻き込まれないよう走り出したに違いない。


こんな時でも、私のことを守ろうと__。


「祐くん!」


死り神の背中を必死で追いかけたけど…すぐに見失ってしまった。


ど、どこに行ったの?


職員室に美術室、体育館まで探したけど、2人の姿は見当たらない。


でも、まだ現実の世界に戻らないということは、決定的なことは起きてはいない。


どちらかが死ねば、必然と元の世界に戻るはずだ。


「祐くん…」


絶対に死なせない。


今度は私が守る番だから。


体育館から出た時、なにかが倒れる音が聞こえた。


あれは…技術室だ!


< 154 / 206 >

この作品をシェア

pagetop