死りとりゲーム2-死り神さまの逆襲-
「祐くん!」
技術室に飛び込むと、ちょうど死り神が祐希に馬乗りになっていた。
持っていた鎌を、高々と振り上げる。
あ、危ないっ!
無意識に体が動いていた。
大切なひとを守るため、死り神に体ごとぶつかっていく。
そのまま死り神と一緒に倒れ込む。
「祐美っ!」
起き上がった祐希が駆け寄ってくるけど、私たちの間に死り神が立ち塞がった。
「おら、来いよ!」
祐希の手には、ペンチのようなものが握られている。
ぶ、武器を!
私も床にばかまかれていた工具の中から、金づちを手に取った。
「祐美は逃げろ!」
「い、嫌!」
「いいから逃げろって!」
「嫌だから!」
金づちを両手で握りしめる。
重たい。
信じられないくらいに重たい。
両手じゃないと、持ち上げることができないくらい。
それはきっと、今から命を砕こうとしているからだ。
私にそれができるだろうか?
誰かを、殺すことができるだろうか__?
「お前の狙いは俺だろ!早く来いよ!」
祐希が挑発している。
私には背を向けたまま、振り向こうともしない。
お前など眼中にない、ということか。
死り神がまた、鎌を振り上げた!