死りとりゲーム2-死り神さまの逆襲-


「私が祐くんを守るから!」


思いっきり、金づちを死り神の肩に振り下ろす。


しかし、死り神は倒れもしなかった。


ゆっくりと振り返り、少し首を傾げる。


「あぁっ」


仮面の向こうから、はっきり私のことを見ているのが分かった。


眼中になかった私が、初めて視界の中に入ったんだ?


つまり『敵』だと認識された瞬間。


込み上げてくる震えに支配されて、逃げるどころか動くことさえできない。


見えない目に射竦(いすく)められて、蛇に食べられるのをただ待つカエルになったようだった。


___殺される。


そう思った。


死り神が、私に向かって鎌を振り上げたからだ。


「祐美!」


祐希が叫んで突っ込んでくる。


それを、まるで蚊でも払うように死り神が払い除けた。


「があっ!」


「ゆ、祐くん!」


その時、私を縛っていたものが解けた。


床に突っ伏す祐希を見て、金縛りが解けたんだ!


「や、やめて!」


渾身の力を込めて、金づちを振り回す。


何度目かの時に『ガンっ!』と手応えがあった。


なにかが飛んでいったんだ。


「…祐、美?」


聞き覚えのある声は私の目の前の__死り神から発せられた。


どうして?


どうして…?


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