死りとりゲーム2-死り神さまの逆襲-
どうか、どうかお願いします!
簡単な文字が来ますように。
すぐに見つけることができる、優しい文字で死りとりが始まりますように__。
『最初は【で】から始まるものでお願いします!』
2人だけの死りとりゲームが始まった。
「で?」
そう言って、祐希が考え込む。
私は小さく息を吐いた。
安心のため息だ。
【で】ならいくらでも思いつく。
もしまたここで【り】が来たら大変なことになるけど、私たちも馬鹿じゃない。
学校の中にある【り】のつくものを、いくつか探し当てた。
他にも、どの文字から始まってもいいように、予想を立てたんだ。
すぐに祐希が教室を出て行く。
向かった先は職員室だった。
先生の机に座ると、腕組みをして目を閉じる。
制限時間が減っていくのに、微動だにせず椅子に座ったままだ。
時間はあと【05:25】に。
それでも動く様子がない祐希をよそに、私は職員室を見回す。
どうして祐希が探そうとしないのか?
また死り神を殺すつもり?
ううん、そうじゃない。
祐希はもう【で】から始まるものを見つけていて、私に考える時間を与えてくれている。
『残り1分です!』
アナウンスとともに目を開けた祐希に、私は肯く。