死りとりゲーム2-死り神さまの逆襲-


さっきまで1人だった。


1人で死んでいくんだと。


でも今は、祐希がいる。


私のことを守ろうとしてくれる、私の大切なひとが。


「来た!」


廊下の向こうから、死り神が猛烈な勢いで突っ込んでくる!


祐希も鎌を握りしめ、突進していく。


鎌と鎌がぶつかる音が響き、祐希が吹き飛ばされた。


仮面が外れて洗脳が解けたから、人間に戻ったんだ。


力の差は歴然。


「ゆ、祐希!」


「来るな!」


「祐希!」


気がつけば私は駆け出していた。


祐希に馬乗りになり、今にも鎌を振り下ろそうとしている死り神に__。


グサっ。


その背に鎌を突き刺す。


死り神が体をのけ反り…そのまま倒れる。


わ、私が殺したんだ。


私が。


「祐美、泣いてる暇はない!」


起き上がった祐希に、手を強く引っ張られる。


「ちょっと、祐希!?」


「逃げるぞ!」


「えっ?」


走りながら振り返ると、別の死り神が向かってきていた。


死り神はあと2体。


「こっちだ!」


手を引かれて着いた先は【体育館】だった。


だだっ広い体育館なら、どこから死り神がやって来るかすぐわかる。


「とりあえず隠れよう」


「…うん」


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