死りとりゲーム2-死り神さまの逆襲-
「腕は大丈夫か?」
祐希が、腕の傷を心配してくれる。
「うん、私は大丈夫」
精一杯の笑顔で答えるけど、心の中は乱れていた。
だって、さっき死り神を刺し殺したんだ。
ということは、クラスメイトの【み】から始まる名前の誰かを…。
「俺にウソはつくな」
「──えっ?」
「手、震えてんぞ」
そう言って、祐希が私の手を包み込んだ。
それはとても暖かくて。
「無理するな、泣いたっていい」
「祐、くん…」
「俺の前で無理するなよ」
引き寄せられ、祐希の胸にすっぽり抱き締められた。
涙が溢れる。
とめどなく溢れてくる。
「心配するな」
優しい声だった。
「俺が祐美を守るから」
「ううっ…」
強く抱き締められれば抱き締められるほど、涙は止まらない。
大きな切なさが込み上げてくるんだ。
死りとりゲームからは逃れられない。
クリアする条件は2つ。
しりとりに成功するか、失敗した後に襲ってくる死り神を殺すこと。
たとえ死り神が10人いたとしても、10人全てを殺せば現実世界に戻ることができる。
いたって簡単なルールだけど…。
祐希も死り神なんだ。