死りとりゲーム2-死り神さまの逆襲-
仮面が外れて洗脳が解けたとはいえ、死り神であることに変わりはない。
いくら祐希が『守る』と言ってくれても、それは叶わないんだ。
今こうして抱き締め合っていても、すぐに別れはおとずれる。
逃れることのできない、別れが…。
だから、だから最後に__最後に、心が震えるような思い出が欲しい。
「…祐くん」
私は、祐希の目を真っ直ぐに見つめた。
するとすぐ、祐希は私の思いに気づいてくれたんだ。
「祐美、俺が絶対に守るから」
それが儚い夢だとしても、私は「ありがとう」と答えた。
視線を合わせたまま…。
ゆっくりと祐希の顔が近づいてくる。
私は静かに目を閉じた。
唇が触れる気配を感じる。
私にとって初めてのキスは、私がよく知っている幼なじみだ。
ある時を境に、避けていた幼なじみ。
でも祐希は何も変わっていなかった。
私の大好きな、祐くんだった…。
「祐美、好きだ」
「…うん、私も」
「俺が必ず__」
その時「危ない!」と、祐希に思い切り突き飛ばされた。
えっ、なに!?
尻もちをついて振り返ると、天井から死り神が舞い降りてきて__。
「ゆ、祐くん!」