死りとりゲーム2-死り神さまの逆襲-
「や、やめて!」
私が飛び出したその時、祐希はポケットから取り出したものを突き出した__。
「うさぎ」
と、言って。
えっ?
転びそうになるのをなんとか堪えて『それ』を見上げる。
確かにそれは『うさぎ』だった。
うさぎの形をした、ネックレス。
『クリアです!』
「なんだよ!ビビらせんなって!」
良一が、大袈裟に祐希の肩を叩く。
叩かれた祐希は笑顔で、抱いていたうさぎに頬擦りをしていて、私はもう何が何だか…。
「次、祐美の番だよ」
圭子にそう言われるまで、放心していたくらい。
だって、てっきりうさぎをめった刺しにするものとばかり…。
あんな優しい笑顔でうさぎに微笑みかけるなんて、昔の祐くんにしか見えない。
しかも、うさぎの形をしたネックレスなんて。
ギャップにも程がある!
少し腹が立って睨みつけていると、祐希と目が合ってしまった。
「悪い、【ぎ】で終わって」
祐希が私に言った。
難しい言葉で終わってしまったことを、謝ってる。
私のことを気遣ってるんだ。
それだけだなんだか嬉しくて__私は校舎に駆け出した。
目指すはあそこだ!