死りとりゲーム2-死り神さまの逆襲-
校庭を戻る。
ここはゲームの世界だけの異空間だ。
ゲームの参加者しか、ここに訪れることはできない。
「そういえば、腹って減らなくないか?」
突然、祐希が尋ねてくる。
「うん、そういえばそうかも」
「ここの時間は、現実の世界の数秒だろ?だからずっと晴れてるし、眠くもなんないのかもな」
「幽体離脱みたいな感じ?」
「たぶんな」
そんなことを話しながら、手近な教室に入った。
一つの机を挟んで、お互い向かい合って座る。
その机の上に鎌を置いた祐希が、こう言った。
「祐美、俺を殺せ」と。
だから「無理」だとすぐに答える。
「俺か祐美、どちらかが死なないと元に戻れない」
「それなら祐くんが私を殺してよ」
「だよな、そう言うと思った」
投げやりな感じで言う。
どうやら私の決意は伝わっているようだ。
しばらく重苦しい沈黙が広がる。
それじゃ「俺が自分でやる」と鎌を持つ祐希の手を、私は掴んで止めた。
「そんなことしたら、私も死ぬから」
「無駄死になるだろ?」
「じゃ、私が自分で死ぬ」
そう言って鎌を引き寄せるが、絶対に祐希が離してはくれなかった。