死りとりゲーム2-死り神さまの逆襲-
「それじゃ、どうするの?」
私が問いかけると、本当に困った顔で「そう言われてもなぁ」と祐希が頭をかく。
相手を殺すのも嫌。
かといって、目の前で死なれるのも嫌。
「ずっとこのままだよ?」
そう言った私は、ふと首を傾げた。
今は祐希と2人きりだ。
襲ってくる死り神もいなければ、クリアしないといけないゲームもない。
誰かを陥れようとしたり、醜い喧嘩を止める必要だってないんだ。
教室はとても穏やかで、窓から見える景色はずっと晴れている。
「なぁ、祐美」
どこか諦めたような祐希の声色で、なにを言おうとしているのか分かった。
「俺さ、別に──」
「私もいいよ」
私が微笑みかけると、しばらく祐希は私の顔をジッと見つめる。
真意を確かめるように。
「ほんとにいいのか?」
「うん、もう決めた」
それは新たな決意だ。
私たち2人の決意。
そして何度か咳払いした後、祐希がスピーカーに向かって話しかけた。
「これ、このままじゃ元に戻れないのか?」
するとすぐに答えが返ってくる。
『どちらかが死ねば、ゲームそのものが終わります』
それは予想通りの答えだ。
「じゃ、俺たちやめるよ」
『…やめるとは?』