死りとりゲーム2-死り神さまの逆襲-
「俺は答えないからな!」
そう宣言し、先生は椅子に腕組みをして座った。
どうやら本当に、わざと失格になるつもりらしい。
「ねぇ、愛海」
私は愛海を引っ張って、教室の隅に移動する。
「なにかおかしくない?」
「なにが?」
「なんでタマゴなんか持ってたの?ゴーグルも」
「あぁ、あれはね…仕込んだの」
悪戯っぽい微笑みを浮かべて、私に耳打ちする。
「だって【た】から始まるって分かってたから。私がたまごで、良一がゴーグル。でも次が先生で乗り気じゃないからさ、祐美まで打ち合わせできなかったの」
「それって、ズルじゃないの?」
「仕込んだことなんか分からないって。だから先生には抜けてもらったほうがいいかも。そのほうが確実にクリアできんじゃん?」
成績は悪いほうなのに、こういったことには頭が働くらしい。
確かに先生がいると、テンションも下がるっていうか。
今も目を閉じて、時間がなくなるのを待っている。
「先生、時間なくなるけど?」
圭子が声を掛けるも、先生は眉一つ動かさない。
本気でゲームから抜ける気らしい。
そしてとうとう…。
『タイムオーバーです』