死りとりゲーム2-死り神さまの逆襲-


「あと5分しかない!」


「ご?ゴミ箱は前に言ったよね?ご、ご、ご?」


ますます焦っていく愛海。


「殺されたくない!鎌とか痛いし、絶対に嫌だよ!」


「愛海、落ち着けって!よく考えろ!」


恋人の良一が励ますも、愛海は騒ぎ立てるだけで時間だけが過ぎていく。


かといって、教えるわけにはいかない。


『ゴミ箱』がオッケーなら『ごみ』でもいいんじゃないか?


『ゴマ』や『ゴボウ』なら調理実習室にあるかもしれない。


でも愛海はテンパって、ぎゃーぎゃーと叫んでいる。


このままじゃ失格になる!


その時、愛海が悲鳴を上げた。


「むり!むりむりむり!」と、今にも泣きそうだ。


てっきり時間が減っていき、死り神に襲われる恐怖からかと思ったけど、床を指差して逃げ回っている。


「ご、ごごご!」


「えっ?」


「ゴキブリ!」


指差す先に、1匹のゴキブリが触覚だけを動かしていた。


『ゴキブリでクリアするなら、制限時間内に殺して下さい』


「だから無理だって!」


椅子の上に登った愛海が、泣きながら抗議をする。


「でも、ゴキブリなら殺せるでしょ!?うさぎとは違うんだから!」


「むーり!」





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