死りとりゲーム2-死り神さまの逆襲-
「ちょっと聞いてよ!」
教室に入ってくるなり、愛海が飛びついてきた。
すぐその後から「だから違うんだって!」と良一がやってくる。
「朝からどうしたの?」
「ひどいんだって!良一のやつ、浮気したの!」
愛海は目に涙をためて、唇を噛み締める。
村井先生が死んだ時だって、涙ひとつ見せなかったのに。
「誤解なんだって!」
必死で取り繕うとしている良一は、困った顔で頭をかいていた。
「誤解じゃない!じゃ、あのLINEはなによ!それもよりによって、古城怜華となんて…」
「えっ、古城さんと?」
そりゃ、愛海が怒るのも無理はない。
2人は正反対のタイプで、なにかと嫌いあっている。
それでもお嬢様の怜華のほうが、位でいうと上だった。
それを愛海はいつも忌々しく感じていたからだ。
「ちょっとLINEしただけだろ?」
「デートの約束がしてあった!」
「それは…」
参った顔をしているから、どうやら本当なんだろう。
「愛海、スマホ見たの?」
「彼氏のスマホ見てなにが悪いの!?」
完全に開き直った愛海が、きっ!と私を睨みつける。
なんにしろ、これは2人で解決してもらわないと。