死りとりゲーム2-死り神さまの逆襲-
『それでは、死りとりゲームを始めましょう!』
異空間でも、愛海はまだ良一を睨んでいる。
『最初の文字は【か】です!【か】から始まるモノを探して下さい!よーい、スタート!』
ゲームが始まった。
【か】は簡単だ。
『カバン』や『紙』など、すぐに見つかるものばかり。
それなのに愛海は動かず、ずっと良一に恨めしい視線を送っている。
よっぽど浮気のことが腹立たしいんだ。
よりによって、その相手が怜華ならなおさらのこと。
「愛海、時間なくなるよ?」
「…分かってる」
ブスっと答える。
「だから愛海、違うんだって!浮気じゃない!」
弁解をする良一に「そうだよ!愛海の勘違いなの」と私は加勢をする。
話し合いはまだゲームの後ですればいい。
今はとにかく、しりとりを進めないと。
「浮気じゃなくって、古城さんに──」
「良一」
愛海が私を遮って、彼氏の名を呼んだ。
「な、なんだよ?」
「なにか気づかない?」
「えっ、なにか?」
「愛海について、なにか気づかない?」
潤んだ目で、首を傾げる良一を見つめる愛海。やがて「はぁ〜」とため息をつき、カバンに手を突っ込む。
「気づかない良一が悪いんだから」