死りとりゲーム2-死り神さまの逆襲-
「かぜぐすり!」
半ばヤケクソな感じで、愛海がカバンから風邪薬を取り出した。
『クリアです!』
アナウンスを合図に、愛海が風邪薬を飲んだ。
「彼女が風邪を引いたのにも気づかないなんてね」
嫌味ったらしく、付け加える。
良一は何か言おうとしたけど、出てきた言葉は__。
「り?」
そうだ【り】から始まるものを見つけないと…。
愛海は【か】だった。
すぐに見つかる、簡単な言葉。
それなのに【り】で終わる『かぜぐすり』を選んだのは、良一に対しての嫌がらせではないか?
この死りとりゲームは、協力するだけじゃない。
誰かを陥(おとしい)れることだって出来るんじゃないか?
私たちの仲が悪くなればなるほど、このゲームは【デスゲーム】へと発展していく。
「り、り、りーっ!?」
少しずつ良一が慌て始める。
タイムオーバーになれば、死り神に襲われてしまう。
「失格になったらお前のせいだからな!」
「彼女を裏切るから、罰が当たったのよ!」
「だからそれは__あっ!」
なにか思いついたのか、良一が机の中に手を突っ込んだ。
「あった!」
取り出したものは、赤くて甘い…。
「りんごあめ!」
『クリアです!』