死りとりゲーム2-死り神さまの逆襲-


「なんで食べてないのよ!渡したの一昨日なのに!」


愛海の怒りはまだおさまらないらしい。


手作りのりんご飴を手にした良一に、食ってかかる。


「いや、なんか甘いし」


「ひどい!どうせもう愛海のことなんかどうでもいいくせに!」


「そ、そんなことないし!」


「なんでもいいけど、そっちでやってくれない?私たちまだゲームやんないといけないから」


圭子が冷たく言い放つ。


「えっと…【め】だよね?メガネがいいんだけど」


そう言いながら、圭子が探し始める。


でも、私たちは誰もメガネを掛けていないし、メガネそのものが置いてある可能性も少ない。


「ダメだ。面もだめだし…」


腕組みをして考え込んでいた圭子が、パッと顔を上げた。


颯爽と教室から駆けていく。


その後を追いかけるのは私と祐希だけで、良一は愛海の機嫌取りをするのに教室に残った。


圭子は【音楽室】に飛び込むと、ピアノの上を指差す。


「メトロノーム!」


『クリアです!』


「む…?」


順番が回ってきた祐希も、すぐに音楽室を飛び出していった。


向かった先は【理科室】だ。


「どっかにあんだろ?」


なにを探してるんだろう?


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