死りとりゲーム2-死り神さまの逆襲-
【む】から始まるものって、意外と難しいんじゃ?
『虫』とかあるけど、捕まえて殺さないといけない。
「絶対どっかに…あった!」
祐希が高く掲げた。
「むしめがね!」
『クリアです!』
次は私の番だ。
【ね】から始まるもの。
いっぱいあるはず…なのに『猫』が浮かんできて消えてくれない。
「ねあ、ねい、ねう、ねえ、ねお」
【あ】から順番に唱えていくけど、なかなか決め手がない。
「ねさ、ねし、ねす、ねせ、ねそ?」
や、やばい!
「ねた、ねち、ねつ…熱?熱」
私は理科室から飛び出すと【職員室】に向かった。
その奥の給湯室に入り、ポットを押す。
白い湯気を立てて流れ出てきた「ねっとう!」を、誰のか分からない湯飲みで受け取る。
『クリアです!』
よしっ!
顔の高さに手のひらを突き出す圭子とハイタッチをすると、祐希も同じように手を出した。
反射的に、祐希と手を合わせる。
汗、かいてないよね?
急に不安になっていると、すぐに足元がグラついた。
元の世界に戻るんだ。
愛海たちのことが気になるけど、私たちは良い感じでクリアできている。
このままいけば大丈夫、きっと。