死りとりゲーム2-死り神さまの逆襲-
えっ、また【り】なの?
この前の死りとりゲームでも、確か愛海は『かぜぐすり』と答えた。
2回続けて同じ文字で終わるなんて…。
「お前、わざとか?」
「私を怒らせると怖いんだから」
愛海はタバコを捨てると、憎々しげに上靴で踏み潰した。
自分のことを名前で呼ぶ愛海が『私』という。
それはまさに怒りのあらわれだ。
別れを切り出した良一に、しりとりでやり返した。
「り、り、り」
文句を言う時間ももったいないと思ったんだろう。
良一はすぐにゲームモードに切り替えて【り】から始まるものを探し始めた。
前は辛うじて『りんごあめ』で逃れたけど、考えてみたらあまりない。
しりとりは【る】が鬼門だという。
でも学校内に限るなら【り】が危ないんじゃないか?
「良一、もう時間がないぞ」
祐希が声をかける。
残り時間はあと【05:12】だ。
「分かってる!見つからないはずない!」
そう、一個くらいなら思いつく。だって、教室だけじゃない、学校内で見つければいい。
だから一個くらい…。
そう思いつつ、私もなにも思い浮かばなかった。
「うそだろ…」
絶望的な声で、良一が呟く。
『タイムオーバーです!』