死りとりゲーム2-死り神さまの逆襲-
気がついたら、そこは教室だった。
クラスメイトが授業を受けている教室。
自分の心臓の鼓動が聞こえる。
全速力で100メートルを走ったくらい、私の鼓動は早鐘を鳴らしていた。
なにも起きない?
まだ、なにも起きていない。
もしかしたら、夢なんじゃないか?
異空間で体験したことは、現実の世界に起きないんじゃないか?
村井先生はたまたま急死しただけで__。
「ぐぁああああー!」
突然、悲鳴が上がった。
誰かが椅子から転げ落ちて、のたうち回っている。
それは鎌を突き刺された良一じゃ…?
「莉新(りっしん)!」
圭子の声がした。
なんで莉新の名前が出てくるの?
恐る恐る首を伸ばすと、莉新まことが肩をおさえて呻いている。
学生服の袖をめくると、腕にはどす黒いアザができていた。
圭子と同じ剣道部だから、生傷が絶えないのだろう。
それにしても、なんでいきなり悲鳴を?
あっ、そうだ。今は良一だ。良一は?
姿を求めて振り返ると、ちょうど良一も立ち上がったところだった。
その胸から、血を流して…。
「きゃあああああー!」
誰かが気づいて叫び声を上げる。
でも床に突っ伏した良一が、2度と起き上がることはなかった…。