死りとりゲーム2-死り神さまの逆襲-
「なんとかゲームから抜けないとな」
真面目な顔で、祐希が言った。
「うん、そうだね」
「良一のためにも」
そう話す祐希の横顔は、とても柔らかい。
友達思いで暖かくて、私のよく知っている祐くんそのものだった。
「そういえば、死り神は人間なの?」
気になっていたことを尋ねた。
祐希にタックルされたり、圭子にコテを決められて呻き声を上げていたはず。
「確かに生身の人間の感触があったな」
「もし倒せば、殺されなくてすむの?」
深く考えず口にした私の問いかけに、祐希は顔を険しくする。
「これはただのゲームじゃない。倒すっていうことは___殺すっていうことだ」
「殺す…」
「それができるか?」
真剣な眼差しに、私は首を振るしかなかった。
私に殺せるわけがない。
「でも安心しろ」
「えっ?」
ベンチから立ち上がった祐希を見上げる。
「俺が祐美のこと、守ってやるよ」
私のことを見ることなく、祐希が言った。
私を守ると。
「祐くん…」
「幼なじみのよしみでだよ」
そう言い残すと、そのまま私を見ずに軽く手を上げて行ってしまう。
私はその大きな背中を、見えなくなるまで見送っていた…。