死りとりゲーム2-死り神さまの逆襲-
「鎌で刺すんだ!」
死り神に弾き飛ばされ、肩を痛めた様子の祐希が顔をしかめて叫んだ。
でも、そんなこと言われても…。
誰かを刺すなんて。
いくらゲームの世界だといっても、そんなことできるわけがない。
しかも、死り神に殺された村井先生と良一は、そのまま現実世界でも死んでしまった。
もし、もし現実に反映されたら?
「くっ…!」
圭子が苦しげに呻いた。
なんとか竹刀で死り神を押し留めているけど、時間の問題だ。
鎌が圭子の顔に食い込む。
そうなれば、もう圭子と笑い合うことができなくなる。
大切な親友を守りたい。
守りたいけど、でも…。
私が躊躇していた、ほんの一瞬だった。
パキっ!
死り神が、圭子の竹刀を手の力で握り潰したんだ。
食い止めるものが無くなった圭子の顔面に、鎌が振り下ろされる__。
う、動かなきゃ殺される!
動かなきゃ…!
けれど気づいた時には、私は床に突き飛ばされていた。
持っていた鎌を奪い取られて…。
グサっ!
実際はそんな音は聞こえない。
鎌の刃先は、すんなりと肉の間に滑り込んでいく。
静かに突き刺さったんだ。