死りとりゲーム2-死り神さまの逆襲-
調理実習室に戻ってきた。
「りっしん!」
そう叫ぶと、圭子が飛び出していく。
りっしん?それは、莉新まこと?圭子と同じ剣道部で、男子のエースだと言っていた。
「ちょっと、圭子!」
私も慌てて追いかける。
とりあえず、凄まじい勢いで廊下を走っていく圭子は大丈夫だ。
現実世界に戻ってきたということは、死りとりゲームはクリアした。
しりとりに失敗しても、襲ってくる死り神を倒すことができれば、死は免れるのか。
今になって、鎌を持っていた手の感触が蘇る。
私自身は刺していないけど、確実に死り神の息の根を止めたんだ。
そして仮面を取った。
2人は、言葉も出せずに驚いていた。
「莉新(りっしん)!」
圭子の後に続いて教室に飛び込むと、異様なほど静まり返っている。
なぜか円形に人垣ができ、なにかを遠巻きに眺めていた。
「莉新!」
その輪の中から、祐希の声が聞こえて__。
人垣を強引にかき分けた圭子が、床に突っ伏している莉新まことに駆け寄る。
そこは、血の海だった。
ドクドクと、頭から血が流れている。
死り神に刺した脳天と同じだ。
間違いない。
莉新まことが死り神だった。