死りとりゲーム2-死り神さまの逆襲-


えっ、人間じゃない?


「でも、死んじゃったよ?」


「だけど、あの世界では化け物なみの力だった。だから操られて死り神にされたんじゃ?」


「なんで莉新くんが?」


「それは俺にも分からない」


祐希が首を横に振る。


「とにかく、しりとりをクリアするしかないな」


簡単なようで、それが1番難しい。


なにを考えているか分からない愛海と、そんな愛海を敵視する圭子。


この2人が順番でいうと隣同士だ。


せめて私が間に入っていれば良かったけど…。


その時、パラパラと雨が降ってきた。


「私、折り畳み傘あるよ」と、鞄から出す。


けれど、どう考えても体格の大きな祐希と2人では濡れてしまうし、そもそも相合傘になる。


「俺はいいよ」


祐希が傘を私に押し返す。


「でも濡れちゃうよ?」


「どうってことない。じゃあな」


早口で言うと、祐希は颯爽と駆けていった。


傘をさしながら、そんな大きな背中をぼんやりと見つめる。


もう誰も死なせたくない。


クラスメイトも、友達の圭子も、同じく友達の愛海のことも。


そして、幼なじみのことも。


しかし、雨は私の不安をあらわすように強く降り始めていた。


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