死りとりゲーム2-死り神さまの逆襲-
今回の死りとりは【み】から。
「みー?」
わずかに首を傾げる愛海は、可愛く見えても集中している。
成績は下から数えたほうが早いけど、スマホやゲームの扱いはプロ級だ。
言葉遊びも強いし、こういう時に力を発揮する。
どんな文字が来るか分からないのは、愛海も同じこと。
それなのに瞬時に、自分にとって1番のワードを思いつく。
さすがに今回ばかりは【り】や【る】で終わることはないと思うけど……。
「あぁ、喉かわいた」
そう言うと、愛海は教室を出て行く。
一体、どこに?
私たちがついていくと、手洗い場で蛇口をひねった。
そうか!愛海は『水』を見つけたんだ。
そうなると次は【ず】から始まるけど、なんとか探せばあるだろう。
しかし、愛海は一向に水道を止めようとはしない。
よく見ると、バケツに水をくんでいる。
「ここってさ、ずっと晴れだよね?」
全く時間を気にする様子もなく、愛海が言った。
確かにこの異空間は、明るい太陽が出て晴れている。
現実の世界は、昨日からずっと雨だというのに__。
「あぁ、重たっ」
気だるそうにバケツを持ち上げると、そのまま玄関から外に出る。