無名ファイル1
♡SECTION3♡
Part1.契約という呪い
あの日から約一か月…。
今日から二学期、学校再開だ。
私はあの日から歌や演技を磨いた。
ふふふ、きっと蛍も驚くだろうなぁ。
「魅香~!!!おはようデース!!」
「んぎゃっ、エミリア!?おはよぉ~」
廊下を歩く私に突進してきたエミリア、
うん、相変わらず元気そうで安心した。
「魅香は音楽の先生が事故に遭ったの、
知ってます?かなりの噂デース!!」
音楽の先生は女子からとても不人気な、
セクハラじじい。それもあって、
噂が瞬く間に広まったのだ…。
「知ってる、クラスチャットの賑わい、
凄いし…イケメンの先生が来るって…」
「変態じじいからイケメンは、
流石に降り幅の暴力デース。」
…てか、本当に事故に遭ったのかすら、
曖昧なのにみんなよく盛り上がれるな。
「麗菜、おっはよー♪」
教室に入ると麗菜が原稿用紙に何かを、
ガリガリと書きなぐっていた…。
「あ…えぇ、おはよう…。」
「え、どうしたデース…??」
麗菜は憔悴しきった様子で項垂れた。
「いや、今週末〆切の小説が…その…」
麗菜は言い終える前にすやっと落ちた。
この子も相変わらずだ…。