無名ファイル1
鏡の前でクルッと回る…今日は休日。
休日は昼間まで寝過ごしがちなダメ女、
しかし今日は用事がある…。
「しっかし…百合ネェは万能だなぁ、
こんな大人な服を貸してくれるとは…」
露出多いけど上着を羽織ると丁度いい。
イイ女が着こなすようなワンピースだ。
でも私が着ても変じゃない…絶妙だ。
『ピンポーン』
「おはようございます、月乃さん。
では…早速、現場に向かいましょう。」
「はい」
スーツを着た物腰の柔らかい男性。
そう、この人は澤田さんだ。
「この間とはまた違った雰囲気ですね!
ホタル君照れてヘマしないかなァ。」
澤田さんはいたずらっ子のように、
にししっと笑った…意外だった。
大人の男性って感じなのに、
そんな笑い方する人だったんだね。
「あ、ホタル君には見学に来ることは、
秘密で…驚く姿見るの楽しみですね!」
「あっ、バレて良いんですね?」
突っ込みどころ満載だけど…いっか。
『ガチャッ…ガラガラガラッ』
「どうぞ、到着しました。」
「あ、すみません…わざわざドア…」
エスコートの手際が一流…隙が無い。
流石…蛍のマネージャー。