無名ファイル1
『家族で囲むクリスマスケーキ』
『恋人と過ごすクリスマスイブ』
学校帰り電車を待っていると、
壁にチラシが貼ってあるのを見た。
「クリスマスイブはライブだ…。
一緒に過ごせなくて悪い。」
「いいよ、そんな気にしないで!
理解した上で一緒にいるんだし。」
私は…蛍にとって負担になるような、
重たい彼女にはなりたくない…。
「…そうか。」
蛍は申し訳なさげに笑った。
うん、私クリボッチ決定…。
「魅香、26日は予定空いてるか?」
「ん?うん、空いてるよ~」
蛍が携帯の画面を見せてくれる。
「イルミネーション?」
「そう、前回は夏仕様だったから、
冬仕様も一緒に行かないか?」
冬仕様のうさたんとうさっち…。
絶対に可愛いじゃん!!
「行く!!楽しみ!え…でも、
ライブ後って疲れてない?」
「楽勝」
…凄いな、流石男子高校生。
蛍は絶対に私が寂しくないように、
考えてくれる…私もなにか…。
蛍に何をしてあげられるんだろう。
「あ、駅着いた…じゃあな。」
「うん…また明日ね!」
私は電車から降りて頭を抱えた。
彼女として私…これで良いの?