無名ファイル1
取り敢えずクリスマスプレゼント。
誕生日は私の密かな嫉妬の対象、
ファンからの贈り物ピアスを、
そっと駆除した…私は最低だ…。
誕生日プレゼントに託けて、
彼にマーキングしたんだから。
あんなに私を想ってくれてるのに。
私は彼のファンにすら嫉妬してる。
「女々しい…最低だ」
不純なプレゼント…。
今回はちゃんと純粋な気持ちで、
…でも男の子って何が欲しいの?
「うーん…」
夕飯の買い出しをしながら唸る。
「あ、筑前煮つくろ」
私はさっさと材料を購入し帰宅した。
キッチンに立って腕まくりをした時、
携帯が着信を知らせ、震えた…。
「…また事務所の勧誘かぁ」
音楽活動を再開してからというもの、
フリーだと事務所から誘いが来る。
自分の好きに活動する為に断るけど。
もう縛られるのは嫌なんだ。
材料を切って適当に鍋にぶっこんだ。
「よし、後は煮込んで…完成」
そろそろ勉強しないとなぁ…。
そうして私は今の自分の状況を、
深く考えることを辞めた。
無心で勉強し、さっさと夕飯を食べ、
風呂に入って早寝をしたのだ…。
わー、健康的だぁ。