無名ファイル1

「…あ、あった!」

クリスマスのラッピング…。

ふふっ、これを今から渡すなんて。

なんか変な感じだなぁ…。

やっぱり蛍の部屋に一人で入室は、

ちょっと緊張しちゃうなぁ…。

『…ガチャッ』

「お待たせ、見つけたよ!」

蛍の手の中にもプレゼントが…って。

『…ん?』

二人して相手の手元のプレゼントに、

おや、それはまさか…という顔。

「じゃあ、交換しよっか?」

「…あぁ。」

この重量…手にして確信に変わる。

蛍の方もそうだったようだ…。

「なぁ、これって…」

「せーので中身を当てる?」

『…せーのっ、万年筆!!』

世の中には様々なものに溢れている。

…その中でピンポイントで被るか!?

しかも割とマイナーな万年筆が!?

『ふはッ…ふふっ…』

夜中の為、必死に声を押し殺して、

肩を震わせる二人…。

「開けていい?」

「あぁ、開けよう。」

『ブフゥッ!!!』

なんと色違いの万年筆だった。

ここまでの偶然がある!?

気が合い過ぎていて逆に怖い!

予想だにしない結果に二人は、

声を上げてはならない状況下で、

必死に笑いを堪えた…。
< 175 / 200 >

この作品をシェア

pagetop