無名ファイル1
「ねぇ、ツギハギパークでさ、
やっぱりイルミネーションを見たい。
今度行きたいな…二月の末までは、
冬仕様なんだって。あの…ほら!!
自分の感情にも…嘘は良くない、
かなぁ…なんて思って…さ?」
蛍はふにゃっと笑って私の頭を撫でた。
私は驚いて目を瞬かせるばかりだった。
「初めて彼女からデートのお誘いに、
喜びを噛み締めておりました。」
「…は、恥ずかしい奴!!」
断られなくて良かった…。
そっか、私から何か誘ったのは、
これが初めてだったんだ…そりゃ、
蛍も愛されてるか不安になるよ!
私ってなんて馬鹿なんだろう…。
というか、なんて最低なんだろう。
「蛍…ツギハギ兎たちのぬいぐるみ、
お揃いで買おうよ…写真撮ろう?」
「あぁ、ぬいぐるみも冬仕様で、
新しいバージョンが出てるらしい。
この間、下調べしてて見かけた。」
風が吹き後れ毛がなびく…。
「さむっ…早く帰ろっか」
「…あぁ。」
どちらからともなく手を繋ぐ。
二人の温度が混ざりある…。
「下調べ、一緒にしよう?」
「賛成。」
クリスマスは寂しかったけれど、
今は年明け早々幸せだなぁ…。