無名ファイル1
Part3.保健室で大接近
入学してからおよそ1ヶ月が経過した。
結局私の髪色についてあれ以上の言及は
されない。相変わらず問題児扱いだけど。
授業は眠いし…やっぱり進学校とか、
やめとけばよかったわぁ。
「じゃあ、この問題…月乃!!」
入学式の日は気づかなかったんだけど、
なんとあのチビゴリラ先生英語担当なの!
やばくない?ネタかと思った。
「わかんなーい。」
先生は案外真面目で几帳面な人。
黒板の端から端を綺麗に消すタイプ。
「じゃあ、to+動詞の原形は?」
「不定詞~」
先生は月乃お前絶対答え分かるだろ!
なんてボヤくけれど知らんがな。
だってあたしは生粋のおバカですもん♡
『また馬鹿を晒してるわ。』
『本当に恥ずかしい人ね。』
入学式の一件から陰口は絶えない。
ま、実害はないし痛くも痒くもないが。
"また"馬鹿を晒してるって言葉は、
案外胸にくるものがある…とほほ…。
「勉強をすることは大切だ…でしょ」
「正解、あとは敬語を使えば完璧だ。」
先生は黒板に答えを書きながら、
豪快に笑っていた…。はんっ、嫌だね!!
あたしゃ不完全な位が丁度いいのさ!!