無名ファイル1

「ん"ぇ…新発売のウニ風味パンまっず」

先日コンビニで買ったプリン+醤油の、

ウニ風味パン。貪って後悔した…マズ。

ちぇっ、流石にちょっと挑戦しすぎた。

持ち前のチャレンジ精神が凶と出たな!

巻いたばかりの後れ毛を指先で捻りつつ、

窓のカーテンを開けて背伸びをした。

「はぁ…今日から華の高校生じゃんか♪
天気は良好、陽射し暖かい!!頑張ろ~」

化粧ポーチからお気に入りのリップや、

マスカラ、チークなどを机に広げる。

早起きは苦手だけど化粧は妥協しない。

だってメイクもあたしになる魔法だから!

アイラインは跳ね上げてリップは紅く。

スクールメイク的な半端なメイクは嫌い。

ん?高校生がメイクなんてみっともない?

あっはぁ★そんなん、知らんがな♡

「やっば~あと10分で家出ないと~」

ブレザーの釦を留め、クルリと回った。

短いスカートがヒラリと揺れる…。

よし、新しい制服もピッタリ♪かわよい!

心を踊らせ、バッグを持って家を出た…。

外はほんのりとお日様と桜の良い香り。

「むふふっ、念願の春ですなぁ…」

駅までの長い坂道の桜並木は満開だった。
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