無名ファイル1
Part4.好きになるということ
『カリカリカリカリカリカリカリカリカリカリカリカリカリカリカリカリカリ』
シャーペンの躍り狂う音が響く教室内。
『ペラカリカリカリカリカリカリカリカリカリカリカリペラカリカリカリ』
今日朝起きたら勉強机の椅子で寝ていた。
寝違えてしまって首は超痛いし。
「っぷしっ!!」
っあ"~、くしゃみすると頭痛い…。
目眩がしてきた…これは先生の言う通り、
悪化してる。テスト…あと5分。
『キーンコーンカーンコーン』
「終わった…」
なんとか全科目終了…。
あたしは机に突っ伏して呼吸を繰り返す。
勉強したのに点数ヤバい…かも。
「月乃サン、今からお暇デース?
一緒にカフェ如何デスか??」
赤毛のふわっと柔らかそうな二つ結びを、
軽やかに揺らして近づいてきたマドンナ。
まるで天女のような美しい風貌に、
あたしは目を細めた。あ…そういえば、
この娘に喧嘩売ったんだっけ…。
これは…学校から離れたところで、
ボコボコにされるパターンか…?
「ごめん、エミリアちゃん約束あるから!
また今度!ね?麗菜ちゃん、帰ろ!!!」
「えっ…ちょ!!」
「Oh...」