無名ファイル1
「やっぱり月下の美女はあなたなのね。」
夏夜と出会いをやんわり話すと、
麗菜は呆れた顔をした。
「え、月下の美人?何が…?」
ポカンとする私に麗菜は溜め息をつく。
「ソロ曲よ…CD貸したでしょう?
昨日の夏夜君見て確信してたけど。」
「あぁ、昨日のワタクシも見たデス!
人を殺めた人間の顔をしてたデース!」
うわぁ、凄い言われよう…。
でも真由さん問い詰めたのは事実みたい。
クラスの子達にも心配された。
「魅香…。」
「ひゃいっ!」
背後からの蛍の声に勢い良く振り向く。
「あら、男の嫉妬はみっともないわよ?」
「女の妬みは見ていられないぞ。」
麗菜の嫌味に即座に対応するとか…。
やっぱり頭いいんだなぁ。
「魅香!飲み物一緒に買いに行くデス!」
「いいよー」
あたしが立ち上がると蛍とエミリアが、
視線をバチリと合わせた…鋭すぎて、
音が聞こえた気がするほど。
「ちゃっかりしてるね、クラークさん。」
「あら、初めまして。何組の方デス?」
怖っ、エミリアと蛍…仲わるッ!!
「ごめんエミリア、飲み物はまた今度!」
蛍を連れ、その場を離れた。