無名ファイル1

げっそり痩せた人形、血飛沫、呻き声…。

細い通路…吹き抜ける冷たい空気。

「きゃぁぁぁあっ!!!!」

音がするたびにビクリと肩を震わせる。

蛍はそんなあたしを尻目に声を圧し殺し、

笑っていた…くそぅ、許せぬ…!!!

ゴーカートではとてもスマートな運転で、

面白味に欠けたので横からグイッと、

ハンドルを切って差し上げた!

「なっ!!」

今日一番の驚き顔ゲット…!!

…とはいえ、驚き方も格好良い。

圧倒的、顔面偏差値…。

夕食は予定通りパレードが見られる、

お洒落なレストラン。

なんと予約が必要だったらしい…。

勿論予約済み…本当にイケメンだよ。

「あ、うさたんとうさっち!!」

窓にへばりつくあたし…我ながら子供。

可愛い車に乗る二羽…周りには華やかな、

ダンサーの方々。素敵、キラキラしてる。

「次は、お土産のある店に行くか。」

「うん!!…あ、見てー!!!
この人参…兎型だ!!可愛い!」

あたしはハンバーグのトッピングに、

興奮しつつ、写真を何枚かパシャリ!

「チャットのアイコンにしよ!」

「じゃあ俺も。」

穏やかな時が流れる…。
< 68 / 200 >

この作品をシェア

pagetop