無名ファイル1
げっそり痩せた人形、血飛沫、呻き声…。
細い通路…吹き抜ける冷たい空気。
「きゃぁぁぁあっ!!!!」
音がするたびにビクリと肩を震わせる。
蛍はそんなあたしを尻目に声を圧し殺し、
笑っていた…くそぅ、許せぬ…!!!
ゴーカートではとてもスマートな運転で、
面白味に欠けたので横からグイッと、
ハンドルを切って差し上げた!
「なっ!!」
今日一番の驚き顔ゲット…!!
…とはいえ、驚き方も格好良い。
圧倒的、顔面偏差値…。
夕食は予定通りパレードが見られる、
お洒落なレストラン。
なんと予約が必要だったらしい…。
勿論予約済み…本当にイケメンだよ。
「あ、うさたんとうさっち!!」
窓にへばりつくあたし…我ながら子供。
可愛い車に乗る二羽…周りには華やかな、
ダンサーの方々。素敵、キラキラしてる。
「次は、お土産のある店に行くか。」
「うん!!…あ、見てー!!!
この人参…兎型だ!!可愛い!」
あたしはハンバーグのトッピングに、
興奮しつつ、写真を何枚かパシャリ!
「チャットのアイコンにしよ!」
「じゃあ俺も。」
穏やかな時が流れる…。