無名ファイル1
「そろそろ俺仕事なんだけど。
魅香どうする、まだ華美といる?」
部屋戻ってきた蛍…着替えてきたのか。
以前も思ったけど何着ても映えるな…。
呑気に雑談する二人を見下ろす蛍。
無言の圧が凄い…。
「いや、もうかなり時間経ってるし、
お暇する…。またね、華美ちゃん!」
「はい!あ、チャット交換しましょ!」
最初怒鳴り込まれた時は驚いたけど、
華美ちゃんと面識あって良かった…。
初対面だったら猛反対されただろうし。
『ピンポーン』
「あ、澤田さん来た。」
蛍が扉を開けてこちらに手招きをした。
…澤田さん?はて、どなただろうか…。
「こんにちは、ホタル君!!…あれ?」
玄関に立っていたのはスーツ姿の、
優しいお兄さんって感じの人。
「澤田さんこんにちは!この人はね、
お兄ちゃんの彼女、魅香さん!」
華美ちゃんが嬉しそうに私を紹介する。
澤田さんという人は、ハッとした顔…。
「…噂の歌姫さんですね!澤田です。
ホタル君のマネージャーをしてます。」
「月乃魅香です。あの…噂のとは?」
澤田さんはニコリと微笑む…。
蛍の眉間にはまた深い皺が刻まれた。