御曹司とのかりそめ婚約事情~一夜を共にしたら、溺愛が加速しました~
「さっきからなに? 失礼にも程があるな、財布を盗むだって? 馬鹿馬鹿しい。そんなにお金に困ってるように見える?」
腕を組んで鼻からフンと息を出すと、その男性がますますふてぶてしく見えてきた。
あくまでも白を切るつもり? なんて人なの。
「見えないからどうして盗んだのかって聞いてるんです」
「君ねぇ、証拠もないのに変な言いがかりやめてくれるかな? まったく、僕は忙しいんだ、君に構っている暇はない」
まるで聞き分けのない子どもにせっつかれて困ってる、みたいな顔しちゃって……あー! ムカつく!
「言いがかりなんかじゃありません」
男性はやれやれと首を振って私を無視し、くるりと踵を返した。そしてスタスタと歩いて階段を下りようとしているその背中に私は再び食いついた。
「待って! 逃げる気ですか? あなたが女性のバッグから財布を盗んだのも見たし、動画にも収めたんだから!」
「な……」
腕を組んで鼻からフンと息を出すと、その男性がますますふてぶてしく見えてきた。
あくまでも白を切るつもり? なんて人なの。
「見えないからどうして盗んだのかって聞いてるんです」
「君ねぇ、証拠もないのに変な言いがかりやめてくれるかな? まったく、僕は忙しいんだ、君に構っている暇はない」
まるで聞き分けのない子どもにせっつかれて困ってる、みたいな顔しちゃって……あー! ムカつく!
「言いがかりなんかじゃありません」
男性はやれやれと首を振って私を無視し、くるりと踵を返した。そしてスタスタと歩いて階段を下りようとしているその背中に私は再び食いついた。
「待って! 逃げる気ですか? あなたが女性のバッグから財布を盗んだのも見たし、動画にも収めたんだから!」
「な……」