御曹司とのかりそめ婚約事情~一夜を共にしたら、溺愛が加速しました~
はぁ、今日は色んな事が一気にありすぎた……少し休んだら私も帰らなきゃね。
チェストの上にある時計を見ると二十一時過ぎだった。いつまでもここにいられないし、終電にはまだ間に合う時間だ。
後頭部をボスッと枕に押しつけて、瞼の裏側でもう一度蓮さんのことを頭の中で巡らせた。
――君のことが可愛いから、って理由じゃだめか?
あんなふうに言われただけでドキドキするなんて馬鹿みたい。
大学を卒業後、田舎から出てきたばかりの私に『春海は純粋でそこが可愛い』そう初めて言ってくれたのは洋司さんだった。お洒落で、かっこよくて優しくて……これからもずっとずっと一緒にいるものだとばかり思っていたのに、交際一周年で目にしたものは、洋司さんのベッドで大きな胸をボインボイン揺らして淫らな行為に夢中になっている洋司さんと彼の店の子だった。
――春海!!
あれは夢の中だったのか現実だったのか、記憶が定かじゃないけれど……。
確かに名前を呼ばれた気がするんだけどな。
もしかして、あのとき私の名前を呼んだのって……ううん、絶対気のせい。蓮さんのはずないよね。
可愛いって言ってくれたのは嬉しいけど、でも真に受けて浮かれてたら、また洋司さんのときみたいになる。
もう甘い言葉にフラフラしない!
そう心に誓い、私はいまだに耳に残っているあの声をかき消して勢いよくベッドから身体を起こした――。
チェストの上にある時計を見ると二十一時過ぎだった。いつまでもここにいられないし、終電にはまだ間に合う時間だ。
後頭部をボスッと枕に押しつけて、瞼の裏側でもう一度蓮さんのことを頭の中で巡らせた。
――君のことが可愛いから、って理由じゃだめか?
あんなふうに言われただけでドキドキするなんて馬鹿みたい。
大学を卒業後、田舎から出てきたばかりの私に『春海は純粋でそこが可愛い』そう初めて言ってくれたのは洋司さんだった。お洒落で、かっこよくて優しくて……これからもずっとずっと一緒にいるものだとばかり思っていたのに、交際一周年で目にしたものは、洋司さんのベッドで大きな胸をボインボイン揺らして淫らな行為に夢中になっている洋司さんと彼の店の子だった。
――春海!!
あれは夢の中だったのか現実だったのか、記憶が定かじゃないけれど……。
確かに名前を呼ばれた気がするんだけどな。
もしかして、あのとき私の名前を呼んだのって……ううん、絶対気のせい。蓮さんのはずないよね。
可愛いって言ってくれたのは嬉しいけど、でも真に受けて浮かれてたら、また洋司さんのときみたいになる。
もう甘い言葉にフラフラしない!
そう心に誓い、私はいまだに耳に残っているあの声をかき消して勢いよくベッドから身体を起こした――。