御曹司とのかりそめ婚約事情~一夜を共にしたら、溺愛が加速しました~
ベリーヒルズビレッジにあるショッピングモール“ベリヒルシティ”で高級アパレル店の店長をしていた彼氏、いや、今はもう元カレである河田洋司さんと付き合い始めて一年目の昨夜のことだった。
最近コンスタントに連絡が取れないこともあって、きっと仕事が忙しくて大変なんだろうなぁと、交際一周年のお祝いも兼ねてシャンパンと軽食を手にルンルンで彼のマンションへ向かった。
洋司さんはベリーヒルズ内のレジデンスエリアにある高級マンション住まい。てっきり甘い夜を一緒に過ごせるものだとばかり思っていたのに、そこで予想外の出来事が起こった。
――あっ! 洋司ぃ、好き! 愛してるぅ。
玄関のドア越しからでも聞こえる女性のあらぬ声に、“浮気”という衝撃的な事実を知ってしまったのだ。そこから修羅場のようになって、聞くとその彼女とは一年前からの関係だったと言う。
つまりは私とぴったり同時進行だったわけだ。そしてキレた私は一発ビンタをお見舞いしてから別れを突きつけてやった。
そして……。
――ごめん、そうだったっけ?
当の本人は一周年の記念日ということも忘れていたというオチ付きだった。
記念日にはお祝いしような、なんて言ってたくせに!
いつでも優しくて誠実でこの人ならって、信じてた私が馬鹿だった。
だから今日はまるで仕事に手がつかず、朝から凹んでいる私に気がついた絵里さんから『今夜、飲みに行かない?』と誘われた。そして『何かあったんでしょ? なんでもいいから話してみて』と優しい情けの言葉をかけられたものだから、ついつい話を聞いて欲しくて、怒涛の如く元カレの愚痴がポンポンと無意識に飛び出していた。
「その男を一発殴ってやっただけでも偉い! まだ二十四じゃない、本物の恋なんてこれからよ。だって晴海ちゃん可愛いし! 目だってクリクリしてお肌も綺麗な色白でさ」
そう言って、絵里さんは傷ついた私の心を何度も慰めてくれた。
最近コンスタントに連絡が取れないこともあって、きっと仕事が忙しくて大変なんだろうなぁと、交際一周年のお祝いも兼ねてシャンパンと軽食を手にルンルンで彼のマンションへ向かった。
洋司さんはベリーヒルズ内のレジデンスエリアにある高級マンション住まい。てっきり甘い夜を一緒に過ごせるものだとばかり思っていたのに、そこで予想外の出来事が起こった。
――あっ! 洋司ぃ、好き! 愛してるぅ。
玄関のドア越しからでも聞こえる女性のあらぬ声に、“浮気”という衝撃的な事実を知ってしまったのだ。そこから修羅場のようになって、聞くとその彼女とは一年前からの関係だったと言う。
つまりは私とぴったり同時進行だったわけだ。そしてキレた私は一発ビンタをお見舞いしてから別れを突きつけてやった。
そして……。
――ごめん、そうだったっけ?
当の本人は一周年の記念日ということも忘れていたというオチ付きだった。
記念日にはお祝いしような、なんて言ってたくせに!
いつでも優しくて誠実でこの人ならって、信じてた私が馬鹿だった。
だから今日はまるで仕事に手がつかず、朝から凹んでいる私に気がついた絵里さんから『今夜、飲みに行かない?』と誘われた。そして『何かあったんでしょ? なんでもいいから話してみて』と優しい情けの言葉をかけられたものだから、ついつい話を聞いて欲しくて、怒涛の如く元カレの愚痴がポンポンと無意識に飛び出していた。
「その男を一発殴ってやっただけでも偉い! まだ二十四じゃない、本物の恋なんてこれからよ。だって晴海ちゃん可愛いし! 目だってクリクリしてお肌も綺麗な色白でさ」
そう言って、絵里さんは傷ついた私の心を何度も慰めてくれた。